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サプリメントとして活用される機能食品素材とは?

「赤ミミズエキス」

①​ミミズの基礎知識

②「赤ミミズエキス」の機能性:赤ミミズエキス に認められる主な5つの作用

③「赤ミミズエキス」の科学的研究成果(タンパク分解作用)

​①ミミズの基礎知識

日本での生息が判明しているミミズ

現在、世界に生息するミミズの種類は、7000種類とも2300種類ともいわれています。研究者によってこれだけ違いがあるのは、ミミズについてはよくわかっていないところが多いからです。
ミミズは4億年も前に地球上に誕生した生物であり、くり返す氷河期のような過酷な時代もすべて含めて ミミズは激動する地球環境に適応し、生き延びてきたのです。それはミミズのもつ偉大な生命力のおかげといえるでしょう。そしてこのミミズの生命力は、いま人間にとっての地球上の大自然の恩恵そのものになっています。

1.ミミズの種類

日本での生息が判明しているミミズ

ジュズイミミズ
カイヨウミミズ

ムカシフトミミズ
ナンベイミミズ

フトミミズ
ヒモミミズ

ツリミミズ
フタツイミミズ

ワキ製薬が育成するミミズは、何度も研究解析を実施し、最も酵素を豊富に含むミミズLumbricidee(ツリミミズ科)を選定

ルンブルクス種

Lumbricidae

赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料2-2_edited.png

体長:成虫時5-10cm   生育:集団生育
繁殖:年2-3回      冬眠:しない
起源:ポーランド     ​日本:17種

食用として使用されるミミズ

2.食用として使用されるミミズに含まれる多くの栄養素

全必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸、またビタミン類やミネラル分を多く含んでおり

健康生活のベース作りにも利用されています。

必須アミノ酸

3赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料.png
チャールズ・ダーウィン

非必須アミノ酸

4赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料.png

ミネラル

赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料5.png

3.世界一のミミズの研究者はチャールズダーウィン

赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料6ダーウィン.png

 卓越した地質学者・生物学者で種の形成理論(種の起源)を形成

人生の約半分にあたる40年間を費やし、人生の幕を閉じる一年前に最後の論文になる
“ミミズと土 ~The Formation of Vegetable Mould, Through the Action of Worms, With Observations on Their Habits~”を記し、後世の学者たちにミミズの研究を託した。

赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料6-2ダーウィン.png
赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料6-1ダーウィン.png

余生を過ごしたタウンハウス
ダーウィンの論文

漢方生薬

4.漢方生薬で利用されるミミズ(生薬名:蚯蚓/新農本草経、地竜/図形本草)

違い

中国  フトミミズ 腹部を開いて内容物をとり乾燥させたもの
中国  ツリミミズ 草木灰に入れて殺し、灰を取り乾燥させたもの
日本  カッショク 体内の土砂を排出させた後

ツリミミズ 丸ごと火灰の中に入れ、乾燥したもの

5.漢方生薬と、サプリメント素材「赤ミミズエキス」の違い

​漢方生薬:薬理

赤ミミズエキス

LUMBROFEBRIN(ルンブロフェブリン)
皮に存在する解熱鎮痛成分

「本草綱目」に地竜として記載
​気管支拡張、降圧、痙攣性収縮、利尿・活路

LUMBROKINASE(ルンブロキナーゼ)
体腔に存在する酵素の一種でt-PA誘導体として働く

UE3D
体内に存在する核酸の一種でDPP4阻害活性を持つ

UE3E
体内に存在する核酸の一種でACE阻害活性を持つ

②「赤ミミズエキス」の機能性:赤ミミズエキス に認められる主な5つの作用

直接的タンパク分解作用
T-PA増加促進作用

赤ミミズエキスには主に五つの機能性が認められています。
1、2 は赤ミミズ酵素の作用、3、4、5 は赤ミミズ酵素以外の成分の作用よるものです。

まず第一に、血栓溶解作用(タンパク分解作用)です。
これには1.直接的な血栓溶解作用(タンパク分解作用)
​    2.間接的な血栓溶解作用、二つの働きによるものと考えられています。

1.直接的な血栓溶解(タンパク分解) 作用(Ⅰ)

2.間接的な 血栓溶解 作用(Ⅱ、Ⅲ)

9赤ミミズ赤ミミズ研究会HP 作成資料.png

ミミズの蛋白分解酵素は、6種類存在することが論文で報告されています。
さらに酵素についてはそれぞれ精製され、分子量や等電点、基質分解活性などが詳細に検討されています。
また、ミミズの蛋白分解酵素は3つのアクションポイントを持つことも解明されています。

Ⅰ.血中のタンパク質を分解する
Ⅱ.自己の持つT-PA量を増加させる
Ⅲ.プラスミノーゲンを活性させる

直接的な血栓溶解

赤ミミズ酵素(プロテアーゼ)による直接の血栓分解作用です。 血栓を溶かす作用は、プラスミノーゲンという血液中に存在するタンパク質が活性化されプラスミンという物質に変化し、血栓を溶かすようにできています。赤ミミズ酵素は、この結合したタンパク質を分解して血栓を直接解いていくと考えられています。

間接的な血栓溶解

赤ミミズ酵素は、間接的にも血栓を溶かす仕組みを促していると考えられます。それは、赤ミミズ酵素が内皮細胞を刺激し、t-PA(tissue-plasminogen activator :組織プラス ミノーゲン活性化因子)という、プラスミノーゲンを活性化させる酵素を増やすことから起こります。

血栓を予防する働き.png

PLASMINOGEN

FIBRIN/血栓

NO産生

3.血管拡張(一酸化窒素:NO 産生)作用

 血管は平滑筋という筋肉でできていますが、血液中に一酸化窒素(NO)をふやすことによってこの筋肉が軟らかくなり、血圧が下がることがわかっています。このことを明らかにした米国カルフォルニア大学ロサンゼルス校医学部薬理学教授のルイス・J・イグナロ博士らは、1998年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

 イグナロ博士は、血管の内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)が、血中でふえるほど血管拡張はもちろん血管内部の内皮に生じる炎症を防ぎ、酸化ストレスを取り除く抗酸化作用などもあわせ血管をしなやかな状態にし、動脈硬化のリスクを減らすことを発見したのです。
 一酸化窒素(NO)が血管内に多い人は、血管の柔軟性が保たれるので動脈効果が進みにくく、高血圧のリスクも小さくなる、というわけです。

 血管の内皮細胞が一酸化窒素(NO)をつくるのは、血液が早く流れているときといわれています。つまり、適度な運動を習慣的に行っている人は血管内から一酸化窒素(NO)が生まれやすく、血管も丈夫になる(高血圧の予防になる)ということです。
​ 
 赤ミミズに含まれる成分には、高血圧症の人が飲用するとほとんどのケースで血圧が安定的に下がることがわかっていますが、その一つの理由として、赤ミミズに含まれる低分子化合物が血液中の一酸化窒素(NO)の合成を助けているのではないか、と考えられています。一酸化窒素(NO)がふえることによって血管が柔軟になり、拡張しやすくなって血液が流れやすくなる、血圧が下がるというわけです。

NO産生_clipdrop-background-removal.png
ACE阻害

4.血圧上昇抑制(ACE阻害活性)作用

 赤ミミズが血圧を下げる理由として、もう一つ考えられているのは、AngⅡ(アンジオテンシンⅡ)と呼ばれる血圧を上げる作用をもつ生理活性物質の合成抑制です。
 アンジオテンシンⅡという物質にはⅠ-Ⅳの4種類がありますが、このうちのⅡ-Ⅳは心臓の収縮力を高め、小さな動脈を収縮させることによって血圧を上昇させる作用があることがわかっています。とくにAngⅡは、腎臓がナトリウムを濾過して捨てる時、再吸収によって血液中にナトリウムを戻させる副腎皮質ホルモン(アルドステロン)の合成・分泌をふやす作用があります。このためAngⅡがふえると血液中のナトリウムがふえ、電解質バランスを保つために血液中の水分量(血液量)がふえてしまいます。ふえた血液量を全身に循環させるために血圧が上がってしまうのです。
AngⅡはAngⅠが変換してできますが、その合成を阻害するタイプの血圧の薬(ACE阻害剤)があります。
​ 赤ミミズの血圧降下作用には、このようなAngⅡの阻害抑制も関わっていると考えられています。

 

ACE阻害について.png
DPP4阻害

5. 血糖値上昇抑制(DPPⅣ・糖吸収阻害)作用

 2型糖尿病の血糖値コントロールのための薬の1つにDPP4(ジぺプチジルペプチターゼ4)阻害薬があります。食後に膵臓から分泌されるインスリンの量を調整することで、血糖値を下げる作用が期待されて処方されます。
 その仕組みは、食後に小腸から分泌されるインクレチンというホルモンが分解されるのを防ぐことによって、膵臓のインスリン分泌力を高めるというものです。しかしインクレチンはDPP4という分解酵素のはたらきによって、あっという間になくなってしまうのです。
 このDPP4のはたらきを阻害することで膵臓から分泌されるインスリン機能を高めよう、というのがこの薬の作用です。

DPP4阻害.png

 赤ミミズを飲用することによって、高い血糖値が安定することも臨床的にわかっています。その理由が、赤ミミズがDPP4のはたらきを阻害するところにあるのではないかと考えられているのです。
 血液中に余分な糖が存在すると、たんぱく質と結合して血管内の内皮細胞を傷つけることになります。糖尿病の人は動脈硬化が進行しやすく、心臓病や腎臓病を起こしやすくなるのは、そのためです。

AVシャント

 血糖値をコントロールすることは血管を丈夫にするために、きわめて重要なことなのです。
 

③「赤ミミズエキス」の科学的研究成果(タンパク質分解作用)

 田畑教授らの研究グループ実験で使用したのは、血栓ができやすいように生育されたラットと、赤ミミズを凍結乾燥して粉末にしたものです。この乾燥粉末は、赤ミミズ酵素であり、医師たちが使用しているサプリメントの原料となっているものです。
 まずラットの体内から動脈と静脈を取り出して、AVシャントチューブと呼ばれる管でそれぞれをつなぎました。動脈から来た血液をチューブに通し、静脈に戻すのです

1. AVシャント実験 ~赤ミミズ酵素の投与でマウスの血栓が減少~

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AVシャントチューブの管の中には、細い絹糸が仕込まれています。ラットの血液が通っていくときに、この絹糸に血栓が付着するようにできています。こうして20分間、血液を循環させたのちに、絹糸に付着した血栓物質の重量を測定したのです。
 その結果、赤ミミズ乾燥粉末を経口投与されたラットでは、絹糸に付着した血栓の量が減少していたことがわかりました。また、体重1キロあたり50㎎を投与されたラットよりも、同150㎎を投与られたラットのほうが血栓量が少なくなっていたこともわかりました。

 

AVシャント 試験結果グラフ1.png
AVシャント 試験結果グラフ1.png

安全性・副作用はとくに問題なし

 血栓症リスクの高い50歳以上の人に対する臨床試験も行われています。

 被験者は、LDL(通称「悪玉コレステロール」)が100以上、もしくは中性脂肪が150以上の12名です。試験開始の3か月前から、また試験中も、抗血栓剤、血小板凝集抑制剤、抗凝固剤などは服用していません。

 この12名を二つのグループに分け、一方(B群)には赤ミミズ乾燥粉末75㎎を含むカプセルを朝夕1粒ずつ、3週間飲用してもらいました。もう一方(A群)は対象群(効果を比べるグループ)として赤ミミズ乾燥粉末を含まないカプセル(プラシーボ=偽薬)を同様に飲用しました。自分が対象群なのかどうか、被験者には知らされていません。

 こうして、飲用前、飲用1週間後、飲用3週間後に各種の血液検査を実施し、その結果から赤ミミズ乾燥粉末の安全性や抗血栓効果を比較検討しました。

 安全性と副作用については、問題は見つかりませんでした。

 LDL、中性脂肪、肝機能(GOT・GPT)などいずれも基準値内でしたし、白血球数、赤血球数、血色素量、ヘマクリット値、血小板数などでも、両群とも変化ありませんでした。また、赤ミミズ乾燥粉末の作用によって血小板の機能低下(出血が止まらなくなる)が怒っていないかをみた血小板凝集能検査でも、両群ともに変化は認められませんでした。

 副作用については被験者べきアンケートによって調べられましたが、倦怠感、血圧上昇、頭痛、不眠、発疹、じんましん、食欲不振、腹部不快感、腹痛、便秘などのトラブルはありませんでした。

 

FDP・Dダイマー・PICの変動

2.  FDP・Dダイマー・PICの変動 飲用して1週間で明らかな抗血栓効果が

血栓というのは、血小板が固まって、その周囲をフィブリンというタンパク質によって固められた状態になっています。このフィブリンを分解する作用が赤ミミズ酵素にある、ということも臨床試験で確認されました。

 フィブリンが分解された証拠となる物質(マーカー)としては、まずFDP(フィブリン分解物)という物質があります。フィブリンが分解された結果として、血液中に現れるものです。 

血液検査の結果、FDRはA群(対象群)では若干の減少傾向がありましたが、B群(赤ミミズ乾燥粉末飲用群)では飲用1週間後の検査で大きく上昇していました

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 また、フィブリン分解を表すもう一つの証拠はDダイマーという物質です。

 血液中のDダイマー量については、A群(対象群)では飲用前、1週間後、3週間後でほとんど変わりありませんでしたが、B群(赤ミミズ乾燥粉末飲用群)では飲用1週間後に明らかに増えていました。 

 

 

 

 

 

 

いずれも、赤ミミズ乾燥粉末を飲用して1週間で血栓が分解されたことを示すデータであると報告されています。

 さらに、血液中のプラスミン濃度も調べられました。プラスミンは血栓を溶かす物質で、必要なときにプラスミノーゲンから変化して血液中に増えます

これもA群(対象群)では3回の血液検査でほとんど差はみられなかった一方、B群(赤ミミズ乾燥粉末飲用群)では飲用1週間後の検査でふえていることがわかりました

 

 この研究報告を行った田畑教授は、赤ミミズ凍結乾燥粉末は1日150㎎を3週間つづけて飲用したときの安全性が確認でき、さらに線溶活性の亢進(からだにもともと備わっている血栓を溶かす仕組み)による血栓溶解効果があることも示唆された、とまとめています。

酵素力価

3. 酵素力価

 力価というのは、酵素がどの程度作用しているのかという指標です。正確には、1秒間に酵素1分子が分解する対象物(基質)の数で表されます。

 従来から行われていたミミズ酵素の力価測定はミミズ乾燥粉末を水に溶かしたものを使っているためミミズの酵素単独の測定ではない、その測定結果をミミズ酵素の力価とすることは酵素科学の世界ではありえない、ということでした。

 では、どのように酵素の力を測ればよいのか。そこで示した酵素力価の簡易的な測定方法が、次のようなものでした。

 まず、血栓の原料となるフィブリンに似せてつくられた人工的な物質をシャーレに塗布します。そしてその血栓様物質の上に、プラスミン(血液中にできる血栓を溶かす物質)、t-PA(タンパク質分解酵素、脳梗塞治療薬として使われる)、赤ミミズの生破砕物(生きた赤ミミズを砕いたもの)、赤ミミズ粉末などを滴下して、血栓様物質が溶けた穴の直径を測り、比較するというものでした。

 結果として最も大きな穴が開いたのは、赤ミミズ生破砕物でした。赤ミミズ粉末はその次に大きい穴をつくりました。赤ミミズはt-PAやプラスミンよりも力価が高いと判定できる、というわけです。

「このような試験も含め、これまで赤ミミズ酵素が血栓を溶かすかどうかを調べる研究はすべて試験管内(in vitro)の実験によるものばかりです。摂取されたときに生体内でどのように機能するのか。まだまだ既知の学問だけでは十分に説明できないこともたくさんあり、赤ミミズ酵素がそれらの作用を起こすメカニズムを解明することが重要といえます。ミミズ酵素の研究はまだまだ表面の一部が見えているにすぎません。さらなる研究を進めることで新たな事実が解明されていくことを期待しています」

出典:書籍「よごれた血管がキレイになる赤ミミズ酵素/10人の医師が証言する健康回復のすごい力」

   ワキ製薬「Wide Science Topics」

         東京医学会雑誌 第29号 蚯蚓の解熱作用及びその有効成分(1914)

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